「食育」って・・・なぁに? 食育基本法から学ぶシリーズ【第4回】
一般社団法人日本スポーツ栄養コンディショニング協会のスポーツ栄養コンディショニングアドバイザーマスター認定講師の杉本です。
2月1日からスタートしたこのシリーズも今日が第4回。
前回(第3回)は、1990年代に入って食育にスポットが当たる時代背景や世相についてみてみました。
今回は、2000年代に入って以降の、特に国の関わりについてみてみることにしたいと思います。
(退屈な話しが続きますが、ますます食に対する関心が高まる現代に繋がる話しです。)
2002年4月、農林水産省は「BSE問題や食品の虚偽表示問題等※に関連して、『食』と『農』に関する様々な問題が顕在化している」との認識のもと、「『食』の安全、『食』の選び方や組み合わせ方などを子どもたちに教える「食育」を促進する」として、「『食』と『農』の再生プランを発表しました。
※ この問題は第3回で取り上げています。
同年6月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」の中で、健康寿命※の増進の観点から、「関係府省は、健康に対する食の重要性に鑑み、いわゆる『食育』を充実する」しました。
※ 健康寿命と平均寿命(内閣府「平成27年版高齢社会白書」から)
2013(平成25)年 平均寿命 健康寿命 差し引き
男 80.21 71.19 9.02
女 86.61 74.21 12.40
健康寿命=日常生活が制限されることなく生活できる期間
日本の行政ってまさに縦割り。農林水産省、厚生労働省、文部科学省・・・様々な省庁がそれぞれの守備範囲を誇示し権益を守るために似たようでいてすり合わされていない政策を展開するのは、残念ながら今も変わっていないように思うのは僕だけでしょうか?
同年11月、文部科学省、厚生労働省、農林水産省は、3省連携による食育推進連絡会議を設置し、「食生活の改善や食品の安全性に関する情報提供等を内容とする『食育』を推進していくこと」としました。
2003年6月の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」では、食育は「人間力を養う柱」として位置付けられ、「食の安全、安心確保の基礎となる『食育』を関係行政機関等の連携の下、全国的に展開する」こととしました。
これに先立つ2003年5月16日には食品安全基本法が成立しています。
この後、3省が競って各種施策を立案・実施していくことは想像に難くありませんが、このシリーズでは割愛します。
次回(第5回)は2月13日の予定です。